い ろ な ぶ り

tsubaki rocka
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平成枯れススキ
ススキの頭はすっかりただの白髪になって
みすぼらしい姿をさらしている

小柄な彼女はこざっぱりした紺色のパーカーを着込んで
白髪に彩られた川辺に遊ぶ

彼女は24で
大学出たけど友達はいないのと言う
酔っては男は僕が初めてだと言う
毎日パソコンに向かい書類にまみれ
時々吸う煙草は
あまり似合わない

夜になれば真っ暗な天井に
彼女のかぼそい手を泳がせて遊ぶ
滑らかな肌よりその白さが僕は好きで
暗闇に慣れた視界にその影が踊る様を眺めて一晩が過ぎる
時々閉め損じたカーテンの隙間から月明かりが注いで
照らし出された彼女の身体の白さに
意味もなく感傷的になったりする

小柄で痩せぎす
話もろくに続かないのに
僕と彼女は並んで眠る
朝目覚めれば僕らは二人
昨日と同じ顔で昨日と同じ場所へ通って行く

ススキが朽ちていく
川の水面はキラキラと
冬の光を反射して流れる

なんだか何も変わっていかないような気がする
来年もまたこの水面を眺めている気がする
僕はきっと女に飽きている
女の手の甲は今年より黒いだろう

老いた経験もないのに
老いることだけは知っている
一人を愛し抜いたこともないのに
愛だの恋だの歌を歌う
女のことを知らないのに
女のことを知ったと思う
女は僕を知ろうとしている
僕はそれを女の老いだと思う

僕は飯を食い働き眠る
老いを知る女の隣で
僕は飯を食い働き眠る
死に行く女の隣で

家へ帰る
先に帰った女がカーテンを閉めている
料理の入った皿を並べながら
続かない会話を女が始める
僕はススキの白髪を思う


白飯は口の中で埃に変わってしまった
| 椿六花 | 散文 | 00:10 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |









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